7月23日17時。
論文提出のリミットだった。
提出できるのか?と自問しながらその日を迎えた。当日ギリギリの時間まで推敲を重ねた。書き直したいところはあった。でも限られた時間で最善を尽くせたからそれでいい。
直前は重要な会議があるとき以外は仕事を休んだ。朝から晩まで学校にこもって書いた。結局前日まで手こずったのが統計分析。分からないままだった。分かりたかったけど現実はそんなに甘くなかった。
出しては戻され、書いては大量の赤を入れられた。やめたい、逃げたいと何度も思った。神さまヘルプって何度も祈った。人生初の論文に取り組んでみて、いかに舐めてかかっていたかって思い知らされた。
アカデミアの世界は奥が深い。ノリで生きてきた者には敷居が高い。そんな未知の世界の一端に触れられただけでもよかった。
提出当日も朝から学校に詰めて、論文の推敲と要旨、そして謝辞を書いた。16:50に出し終えた。指導教授が缶ビールを持ってきてくれて、その場で乾杯して労ってくれた。少し涙が出た。
ビールを飲み干して、外に出て、うだるような暑さの中、真っ青な空を見上げて、神さまやりきったよ、ありがとう!って感謝した。
翌日は仕事を休んでポスターセッション用のポスターを手がけた。論文の内容をビジュアルで見せるためのポスターは、提出後の解放感もあり実に楽しく取り組むことができた。これでちょっと気持ちが楽になった。